SGH報告会


公開授業、生徒発表、2016年02月10日


 午前のCADの授業終了後、慌ただしく勤務校を後にして、今年度SGHの指定を受けた学校のSGH第1年次報告会に参加するために阪神電車の岩屋駅に向かいました。途中のコンビニでパンを買って、ホームのベンチに座って食べて電車に乗って・・・

 阪神岩屋駅に久し振りに降り立ちましたが、ホームはそのままですが、改札口等は大きく改装されていました。元勤務校跡地に出来たショッピングセンターとの間に連絡橋が出来て、中二階のような処が設けられて、其処に改札等の機能が移っていました。

 阪神御影駅のバスターミナルの横を毎日のように通勤で通っていましたが、此処からバスに乗ったことはありませんでした。バスに乗って、弓場線を通ると、かつての勤務校があった処の横を通りました。

 戦前の師範学校、旧制大学の予科を経て、新制大学のキャンパスとなった後に、かつての勤務校があった場所です。


 バスは、山手の細い坂道をゆっくりと上って鴨子ケ原(かもこがはら)へ。この辺りは旧住吉村で、鴨子ヶ原の地名の由来は、出雲系の加茂氏が居住していたことに起因するようです。

 ぐるっと坂道の隘路をゆっくりとバスは鴨子ヶ原・赤塚山を巡って、やっと到着です。


  元々は、戦前の師範学校の附属小学校だった校地ですが、戦後、新制大学師範学校付属の小学校となり、その後教育学部附属を経て、大学附属小学校となった経緯があります。大学附属学校再編に伴って閉校となり、現在は附属中等教育学校の校地となっています。

 K.U.のマークが入った制服を時々見掛けていましたが、此処の生徒だったことにはじめて気付きました。


 ユネスコスクールに参加していました。

 ユネスコスクールのことを知らなかったのですが、国連および関連機関の目的や理念、世界人権宣言に沿った教育の発展を促進することが目的だそうです。市を挙げて活動して市内の多くの学校がユネスコスクールに参加しているケースもあるようで奈良市、金沢市、岡山市がこれに該当するようです。

 ESD(持続可能な開発のための教育)の推進を担い、今までの国際理解教育等をESDに収斂させるようなプログラムとして、以下の4つの学習テーマを設定しているようです。

・国連システムの理解
・人権、民主主義の理解と促進
・異文化理解
・環境教育


 六甲山系の麓、イノシシ対策がしっかりしています。


 エントランスです。

 小学校 primary school, elementary school に対して、中等教育学校はsecondary schoolというのも、此処ではじめて知りました。


  全体会は体育館の第2アリート(小アリート)です。体育館の入り口には、生徒用のシューズ置き場が並んでいました。


 ちょっと遅れたので、オープニングには間に合いませんでした。既に生徒発表が始まっていました。

 海外研修の報告で、アメリカ・シアトル研修と、台湾研修の2つのグループの報告です。


 英語を交えての報告、最後に生徒の一人が、研修中に毎日のように自己紹介を繰り返す中で「自分って?」と、自分自身のことを考えるようになったという感想を口にしていました。


 先週訪問した高校は、パイプ椅子に校名が彫り込まれていましたが、此処の学校はスリッパに校名が入っていました。


 アートマイル国際交流壁画共同制作プロジェクトの作品が飾られていました。


 生徒発表の後は教室棟に移動して公開授業です、途中にワークショップの作品が飾っていました。


 公開授業は「グローバルサイエンス「KOBEプロジェクト学習」を選びました。生徒は5年生です。


 卒業研究という科目名で、4年生2単位、5年生1単位、6年生1単位という設定です。

 9人を上限としてグループに分かれて、公開授業で参観したのは理数系のテーマでした。

 卒業研究は、ゼミ形式で行われており、研究テーマはグループではなくて個人的なテーマだそうです。実際の調査や実験は個人的に実施して、卒業研究の時間には、それぞれのテーマの報告と質疑応答、それに教諭からのアドバイスで、だうたい50分で3テーマぐらいを扱う感じで進めているようです。

 最初の発表は、コンピュターシミュレーション、インフルエンザの流行に関して「集団免疫」が有効か否かを、シミュレーション上で確認するテーマです。

 まず10分ほど、前に出て内容の発表。


 その後、生徒からの質問に答える形で進めていました。時折、担当教諭からアドバイスがあります。


 次は、木片コンクリートに関する研究です。建築士になることが夢だという生徒が、間伐材をコンクリートに混ぜた「木片コンクリート」の有効性について、個人的に実験した結果です。自費でコンクリートを買って、自宅で木片をコンクリートに混ぜて、圧縮強度を実験したそうです。


 発表の後に生徒からの質問に答える形でゼミのように授業が進みます。


 指導教諭からのアドバイス、発表の仕方や、質問の仕方に関する助言がメインだったように思います。

 先週はSSHの課題研究発表会に参加しましたが、グループで1つのテーマに取り組み、学校で実験・調査をするスタイルでした。それに対して、此処のSGHの課題研究は、個人単位で研究テーマを持って、調査や実験は個人的に各自が実施して、学校ではゼミ形式で各研究テーマに関しての報告と質疑応答、教諭からのアドバイスという感じで、文系のゼミのようなスタイルです。


 教室棟からの窓の外の眺めです。グランドの向こうに町並みと港・・・


 空き教室では、ポスターによる卒業研究の内容掲示がありました。


 いろいろなテーマに、それぞれの生徒が取り組んでいるようでした。


  公開授業が終わって、再び体育館で全体会。SGH指定の1年次ということで、SGH事業の説明を担当チーフから説明がありました。


 卒業研究は、最終的に6年生で1万8千字の論文としてまとめるそうです。


 その後はパネルデスカッション、内部から2人、外部から2人に加えて生徒が2人の計6名です。

 パネルディスカッションといっても、司会役がそれぞれを指名して、あらかじめ用意していたような内容を発表する形です。


 生徒も発言していました。生徒にとってはちょっと負荷が高いように感じました。


 最後にフロワーからの質問となったのですが、最初は実際にSGH指定を受けた学校からの実践的な質問でした。

 その後、東大附属の担当者からの質問は、生徒に向けて「相手の気持ちを感じる」ということについて・・・。続いて筑波大付属の担当者からの質問があったのですが、「授業を参観して、質問には手を挙げて、そしてしっかりと立って質問するのに驚きました」とコメントしていました。昨夏、学芸大附属の参観に言った時に、生徒は私服で、かなりラフな感じだったことに新鮮さを感じましたが、逆な意味での新鮮さを感じられたのかなあ〜と思いました。


 最後は、文部科学省初等中等教育局教育課程課の調査官・濱野清氏の講評でした。


 定刻の5時まで。

 教室棟の生徒の入り口です。勤務校が土足なので、このようなスペースが学校にありません。

 埼玉で勤めていた時は、生徒の下駄箱がありました。神戸市内の学校では港町という土地柄、土足が多いのですが、最近は校内上履きの学校も増えているようです。、


 附属小学校の記念碑です。歴史を辿れば明治10年から存在する伝統校でした。


 付属小学校の校歌、1番も2番も大和撫子で終わっています。


 これは卒業生の記念品です。


 学校の目の前にバス停があるのですが、混雑しそうなので、一つ手前のバス停まで歩きました。50っもありません。


 バス停の支柱の裏側には、以前の附属小学校の文字が残ったままです。


 狭い坂道の隘路をゆっくりとバスは下って・・・

 途中のカーブの処でバス同士が身動きとれなくなりました。後ろに自動車が並んでいるのでバックもできません。


 此方のバスの運転手が降りて、相手方のバスをバックさせる誘導をしていました。互いのバスの後ろに車があるので、そんなにバックもできず、ぎりぎりで隘路のカーブをすれ違いました。

 バス同士が離合困難な坂道です。


 帰りは、阪急御影で降りました。

 阪急御影は、「阪急御影」と「阪急御影北口」の2つのバス停がありました。

 震災の時、阪急電車が王子公園まで復旧して、JRが灘駅以西復旧し、阪神電車は御影以東という時期があり、一時は阪急御影経由で通勤していましたが、その時以来の利用です。


 駅は大きく変わっていました。いつも阪急の特急で通過するだけでしたので気付きませんでした。