銅鐸復元 〜鋳造〜


教育工学委員会、2016年02月29日


 教育工学委員会のため,お昼前に職場を出てJRの新快速で西相生駅まで.


 住宅地の中の小さな駅ですが無人駅ではなかったです.


 駅前に学校への道標がありました.


 今日の教育工学委員会の会場校です.


 南側が国道250号線と隣接しており,車窓から校舎を目にしたことはありますが,校内に入るのは始めてです.


 学校の校訓


そして校歌


 神戸市内では校内も土足の学校が多いですが,此処の学校は玄関でスリッパに履き替えます.職員室前の廊下に進学のファイルが置いており,廊下沿いに机と椅子がありました.


 何度かこの職員室前を往復しましたが,生徒が勉強して,教師が横に立っている光景を目にしました.


 校舎間には渡り廊下があり,スリッパのままで校内を移動できます.


 コンピュータ室は、木製のドアと木製と窓枠でした.


 今日の最初は「最新3次元CAD」の講習でした.


そして2つ目が「銅鐸復元活動」,鋳造の建屋に移動・・・


 課題研究のテーマとして銅鐸の復元を取り組んでいるそうで,昨年淡路島で見つかった松帆銅鐸の内部から棒状の舌(ぜつ)がひもの一部が付着した状態だったとのこと.


 神戸市桜ケ丘で出土して神戸市立博物館に所蔵されている国宝の銅鐸を見本に,これを復元することがテーマだそうです.2年前から地元の企業の協力を得て銅鐸の復元に挑戦しているそうですが,厚さ2〜3mmの薄い銅鐸はむつかしく,現在は4〜6mmの厚さの銅鐸は成功しているそうです.ただこれも,多くの失敗から学んだ結果だそうです.湯が廻らなかった失敗例.


 他にも失敗の作品を並べていました.


 鋳造実験棟の砂場です.


 自作のコークス炉.


 そして砂型,砂型は既にこの日のために製作・準備していたそうです.銅鐸の模様になる模様も時間を掛けて砂に描いていました.砂型にカーボンを塗る作業


 銅鐸の空洞部となる中子が組み込まれた状態です.


 これが砂型の元となる木型です.


 説明をする間にコークス炉の温度を測定して,電気工事実習の廃材の銅に半田を加えて作った青銅の温度が1100℃.ちょっと低いのでコークスを継ぎ足して,コークス炉から炎を吹き出すようにヒートアップ

 砂型の周りにチューブ状の接着剤を塗っていました.湯(青銅)が砂型から漏れないように,高熱でも溶けない材質だそうです.


中子と砂型をはさんで,


それをしっかり木の板とボルトで締めて


 湯口を上にして,縦に入れるのが古代の方法だそうです.


 砂型を砂場に埋めて


 コークス炉から,るつぼを取り出して


 湯入れしやすい持ち方に持ち替えて


 そして湯入れ


 いつもは2つのコークス炉で2つのるつぼを熱して,2人が2つの湯口から鋳入れをするそうですが,今日はコークス炉が1つで,1人で1つの湯口から鋳入れだそうです.


 途中で,ちょっと湯が飛び跳ねました.後で湯入れをしていた教師が化繊の実習服だったら穴が開いていると言っていました.


 湯入れ完了,湯口がまだ赤いです.


 しばらくすると温度が下がっているのが色でわかります.


 掘り出して確認です.


 中を開けると・・・湯が全体に廻っていなかったようです.


銅鐸の薄さを2〜3mmに挑戦だったそうですが,うまく湯が廻らなかったようです.


 最後に,今回の失敗を元に,更に来年度も銅鐸の復元に挑戦するとおっしゃっていました.