時間認識と空間認識


地理歴史_研究授業、2016年02月22日


 地理歴史科は現在,世界史(世界史A,世界史B),日本史(日本史A,日本史B),地理(地理A,地理B)の3領域6科目があり,必履修として世界史から1科目,そして日本史か地理から1科目の計2科目となっています.

 10年ほど前に世界史未履修問題が表面化しましたが,その原因として,

・情報などの新科目の導入や週5日制への移行による地理歴史科の授業時間数の減少

・小中学校の社会科歴史分野の日本史中心の教育

・大学入試の出題が用語の暗記力を問う傾向が強く、
 高校の授業も知識詰め込み型の傾向が強いため,生徒の「世界史離れ」

、高校における歴史・地理教育が現状では「知識詰め込み型」が主流であり,これを「思考力育成型」の教授法へ転換することが求められています.


 ・・・具体的に歴史では,

・歴史の多様な発展や多様な解釈

・過去への興味・関心の喚起、

・時系列的思考力の育成、

・過去の意志決定を将来の生徒自身の意思決定に役立てる



 ・・・また地理では,

・「自然と人間の関係」を学習する文理融合という特性
・持続発展教育(ESD)が実践できる教育・指導
・地球環境問題,自然観・環境観,自然災害・防災
・社会科学的、人文科学的、平和的視点

 これらを踏まえて,グローバル化時代における「時間認識と空間認識のバランスのとれた教育」を重視することを日本学術会議で提言されています.



 職場の最寄りの阪急春日野道駅から阪急御影駅で降りて、北口のバス停からバスに乗って,すぐに深田池・・・もともとは農業用のため池だったようです.


 バスは鴨子ケ原の坂道を上って・・・関西電力の新神戸変電所の脇を通り抜けます,


 此処の変電所は住宅地に隣接しているので,半世紀ほど前に,超低騒音超高圧172.5MVA変圧器が導入されたようです.


 文部科学省研究開発校に指定され,地理歴史科の「地理基礎」と「歴史基礎」のカリキュラム開発をして,今日は新規科目の創設を見据えた「地理基礎」と「歴史基礎」公開授業があります.


 Kobeプロジェクトルームです.前の方に1クラス分の机と椅子が用意されており,参観者は座ったまま授業の観察が可能です.


 授業時間が近づいて,生徒が入ってきました.


 そして「地理基礎」の授業がはじまりました.授業の導入として,最近のニュースを生徒に発表させていました.どんどん挙手して,スポーツの話題からアメリカの大統領選の話やローカルなニュースまで・・・


 最初のテーマは,今現在使っている日本の地理の教科書と,イギリスの2つの地理(Geography)の教科書の記述内容の比較をグループ内で役割分担して小さなホワイトボートにまとめるワークショップです.


事前に調べてきた内容で,教師が机間巡視をして,ボードを生徒に見せながら解説をしていました.


 参観している教員は,その様子をスマートホンやタブレットで撮影していました.


 今回の授業は,持続可能な世界の構築の単元の中で「防災学習を通して持続可能な世界の構築に向けて身につけておくべきこと」がテーマで,次のグループ学習は「(1)地震について学んでおくこと,(2)地震について身につけておくべきこと」の2つがテーマです.


 各グループ内で活発に意見を交換していました.


























 グループで意見を小さなホワイトボードにまとめて,前の黒板に貼りつけ・・・


 それを参観の教員が撮影していました.


 各グループがまとめた内容です.




 その後,NHKスペシャル巨大地震の映像を生徒に視聴させて,教師から生徒にまとめの話をしました.





 休憩をはさんで,次は「歴史基礎」です.

「3つの世界」の中でアジア・アフリカの独立が今日の授業のテーマで,具体的にバンドン会議を扱っていました.バンドン会議で重要な「東西冷戦」「帝国主義」「2つの世界大戦」「国民国家」の4つを,重要な順番にランキングを作成するのがグループ学習の内容です.ランキングのものさしも一緒に小さなホワイトボードにまとめる作業です.








 各グループの意見を黒板に貼りつけて,各グループが順番にプレゼンテーション,その後,教師のフォローがありました.


 各グループの意見の良い処をピックアップする方式で「誉めて伸ばす」タイプの教員かもしれません.


 各グループのリーダの説明を聞いて,教師は少ボートに赤でマーキング等を・・・


 廊下に,生徒のリポートが展示されていました.




 ご一緒した職場の先輩と,勤務校に戻る途中,春日野道商店街の平戸屋でランチを食べました.