「景聴園×旧木下家住宅」


絵のあるところ,すむところ



第三回景聴園±ART in 舞子、2015年3月19日




 「景聴園×旧木下家住宅」 ( 日本画×住宅 )・・・京都市立芸術大学で学んだ二十代の日本画グループ・「景聴園」の作品を見に,舞子の旧木下家住宅を訪れました。

 啓蟄から春分へと向かう春の雨で,午後の舞子は霧に包まれていました。明石海峡大橋の本土側のケーソンが,間近からも霞の中におぼろに見える程度でした。午後3時半頃の光景です。


 展示会場の旧木下邸は舞子駅の東側・舞子公園内にあります。


 住宅地に入口はあるのですが,住居は小高い丘の上になっており邸宅の玄関まで緑豊かで緩やかな坂の小径が続きます。


 旧木下邸の玄関です。


 旧木下邸は,数寄屋造近代和風住宅です。各部屋に作品が展示されています。




 玄関で受付を済ませて,縁側から中庭の眺めです。


縁側から座敷越しに広縁と前庭を眺めることが出来ます。座敷の隣は中室です。


座敷の床の間には,服部しほりさんの≪舞子と鶏図≫2015




中室には≪景聴園扇面散屏風≫2015




左上は,三橋卓≪松と海と≫



左下は,合田徹郎≪目を呑み込む≫


右上は,松平莉奈≪野罌粟(のげし)と檸檬≫



右中は,服部しほり≪不意≫



右下は,上坂秀明≪ニューラルネットワーク≫





 広縁から前庭の景色です。奥は洋間・応接室です。



三橋卓さんの作品≪ソウゾウの机≫です。


 広縁を戻って書院です。この部屋は上坂秀明さんの作品が展示されています。すべて≪ニューラルネットワーク≫です。








 書院から西室越しに待合の作品が見通せます。


これも上坂秀明さんの作品≪ニューラルネットワーク≫です。


 西室から奥の待合が廊下越しに見えます。



 服部しほりさんの作品≪ODOROKI-BAN 図解≫2015です。





 ≪ODOROKI-BAN 図解≫の一部拡大



 待合は,合田徹郎さんの作品≪冬送り≫2015です。




 ≪冬送り≫の一部拡大です。




 待合から茶室への廊下


 正面の扉の向こうは土蔵で,右手が茶室です。


 三橋卓さんの作品≪cha-one≫2015です。




 茶室です。色温度も低く照度も抑えた灯りで照らされた空間です。


床の間には上坂秀明さんの作品≪ニューラルネットワーク≫2015です。





 中庭から茶室への躙口(にじりぐち)です。

・茶室が外とは別の世界という考え方
・外の穢れ(けがれ)を躙口を通ることで落とす。
・地位・身分の高い人でも頭を下げさせる

 このような理由から躙口は狭くて入りにくくなっているそうです。


縁側から中庭を左手に見て,その先に四帖半が見えます。


縁側にあるのは,合田徹郎さんの作品≪言語の発現するトポス≫です。




 四帖半の床の間は,合田徹郎さんの作品≪距離を測る≫です。




 四帖半から中庭の眺めです。


 浴室です。浴槽の蓋には,松平莉奈さんの作品≪明石海峡大橋及ビ付近の図≫2015です。



 内玄関の正面には,合田徹郎さんの作品≪古代新頌≫です。


 昨年展示されていた青山大介さんの旧木下邸の鳥瞰図です。ほぼ番号順に周りました。



 春分を目の前にした霧に包まれていた光景も,旧木下邸を出る頃には,かなり霧も消えていました。


 前庭から母屋の広縁と書院です。


 東の端の洋室の応接室です。


 長い坂の先に・・・入口が見えます。


 帰りは歩いて・・・舞子ヴィラ(旧有栖川宮別邸)の北側に山陽電車の歌敷山という駅があったそうで,この踏切のの辺りだったようです。弧を描くレールの向こうに霞ヶ丘駅がかすかに見えます。