但馬路〜峠を越えて


但馬・竹田と生野、2013年8月3日


 兵庫県は播磨国・但馬国・淡路国そして摂津国,丹波国,備前国の一部を含んでいます。北は日本海に面して南は瀬戸内海(播磨灘)と大阪湾に面し,そして淡路の南端は鳴門海峡を挟んで四国と対峙しています。県内だけでも車での移動に数時間…新幹線で東京へ出掛けるよりも時間が掛かります。生野峠を超えて播磨国から但馬国へ向かいました。

 但馬国の南端が朝来市になります。北近畿豊岡自動車道の「但馬のまほろば」の古代あさご観があります。


 古代の日本は,ヤマト政権以外に,出雲(島根)や筑紫(北九州),毛野(北関東),越(新潟),吉備(岡山)という強大な勢力を持った地域があったようですが,但馬にも強大な権力を持った王が存在していたそうです。古代あさご館に来て,初めて知りました。


 実際に銅鐸を鳴らすことが出来る展示がありました。結構低音が響いた音色でした。


 次に向かったのが南に戻って竹田です。竹田は,天空の城・竹田城が有名ですが,前回訪れた時に,駅前に古い佇まいの町並みが残っていたのが気になって,再び竹田へ。


 駅前の通りには,結構レトロな店構えの商店が,そのまま営業しています。この店はたばこ屋さんですが,貸衣装と結納の看板も上げており,衣装の展示もしていました。


 播但線・・・加古川線と違って電化されていません。一両編成のディーゼル車両が竹田駅に…


竹田駅の北側は,寺町通りで,お寺が並んでいます。趣のある光景でした。この寺の裏山が竹田城址となります。


駅の北には,天空の城・竹田城への登山口があります。


 途中まで登山道を歩いたのですが,山あいの竹田の上空には厚い雲が押し寄せて雨が降りそうな気配を感じて…ここでUターンしました。


 登山口の北にはお稲荷さん…


 赤外線カメラでも撮りました。


 「播磨焼き」の播磨屋本店・生野総本店です。いつも,つい立ち寄ってしまいます。落ち着いた光景の中に佇むと,心まで落ち着くように感じます。


 水車小屋が,草の中に埋もれるように・・・


 赤外線カメラで撮ると・・・白昼夢のような幻想的なシーン・・・


 夏の強い陽射しの中で,水車の音を耳にしていると,遥か過去に遡ったような気分になります。


 藁ぶきのお茶処です。


 この橋を渡ると,播磨焼きを売っている建物へ…。今日は「家庭用こわれ」を買うことができました。最後のひとつでした。


 生野銀山の入口の門柱・・・菊の御紋が入っています。生野銀山は江戸期は天領で,明治に入って政府の直轄銀山になった名残だそうです。


銀の延べ棒・・・これで200万円ぐらいでしょうか?


一円電車と呼ばれていた明神電車が保存されています。乗客も運んでいたようです。


生野の町の中心・口銀谷の交差点です。


 交差点の近くに元・生野警察の建物が保存されています。


 生野の町と姫路の生野橋を結んでいた「銀の馬車道」の生野の町中の鍛冶屋通りです。かつての生野のメインストリートだった処です。その当時の風情を残したままの店構えが残っています。


でも一部は,空き家になって,メインストリート沿いにも関わらず,崩れかけている建物も散在しています。


 この道は川沿いに生野銀山へと向かう路地・・・昔は銀山とを結ぶ重要な道だったかもしれません。


 銀山も生野の町も川沿い・・・


生野駅です。竹田城址で全国区の観光地となった竹田駅と違って,駅員もおらず,駅には観光案内所も見当たりませんでした。


 駅前の商店です。


 朽ち果てた店舗跡です。床が一部抜けて,蔦のような植物で覆われています。LARKの椅子がぽつんと・・・


 国道372号線を行き来する度に,この峠の写真を撮りたいなあ〜と思っていたのですが,今回,帰路に峠の茶屋跡の車を停めて峠の風景を撮りました。


 標高361m・・・自宅近くにある播磨国と摂津国との国境の山・鉢伏山よりも標高が高いかもしれません。



 全但バスのバス停がありました。峠茶屋は既に店を閉めていますので,この峠で乗り降りする乗客がいるのでしょうか?


 福崎にある柳田国男の生家を久し振りに訪れました。記念館や郷土資料館もあるのですが,夕方遅くなったので,生家を見ただけで,自宅に向かいました。


 但馬は雲で覆われて曇っていましたが,播磨は快晴だったようで,峠を越えてしばらくすると真夏の青空が広がっていました。